皆が自然素材を使うと自然破壊を引き起こすと言う問題
日本は木材の輸入国として有数の国ですが、そのために東南アジアの国々の森林が伐採され砂漠化が進んでいると言われています。現状ではそれら伐採された木は合板として使われている物が多いわけですが、これが無垢材として使われ始めたらもっと大変なことになると言うのが、一部の人から言われています。この考えは合板の使用量を単純に無垢材に換算しているからです。前述したように「百年住宅」を念頭に自然循環を考え計画的な伐採を行えば、破壊に繋がることは無いでしょう。さらに無垢材は確実に再利用がきくと言うことです。解体現場から貰ってきた60年も前に使われていた松の3センチ厚で幅150センチ奥行き90センチの板を紙ヤスリできれいに磨くと、美しい木目が再び姿を表しほれぼれするような板になります。本物の持つ力をまざまざと感じさせてくれます。
現在京都の「聚楽土」はほとんど取れなくなってしまいました。そこで昔聚楽土を塗って作った建物が解体される現場には、壁の土を買いに来る左官屋が大勢居るそうです。使用済みの和紙は水の中で溶かされ砕いて、土の中にスサとして入れ、ピカピカに磨き出す高級な左官仕事である「大津壁」の重要な素材になります。
本物の材料はこのように当初の役目を終えても次に役立たされその命を長らえていきます。
「使い捨て文化」から「循環文化」に変えることにより、有限な自然をいかに守るかでしょう。