埴染め(はにぞめ)
日本の泥染めとしては、奄美大島の紬が有名です。但し、泥染めといってもテ−チ木(和名:車輪梅)で染めたものを泥の中にある鉄分を利用して媒染剤の働きをさせて色を出しているものです。合成化学物質を使わないで染色するという素晴らしいものです。
近年、衣類に対しても合成化学物質の有害性が問題になり始め、天然素材で自然物を使って染色をすることが要請され始めました。草木染めもその中の一つの方法です。しかし、草木染めの耐光性はかなり弱く、色を定着させるために合成化学物質を安易に用いているものも多く見受けられます。
私は、土を扱い始めて汚した後の拭き掃除に使った雑巾や、飛び散った飛沫が着いたエプロンの色が洗濯をしても落ちない土があることに気が付きました。この土の着色性能を生かせないものかと、いろいろ試していく間に、素晴らしい染色が出来ることを発見しました。勿論、合成化学物質などの媒染剤は使っていません。
色分けしたり、柄を描いたりということは今後の研究テ−マになりますが、現在出来上がった染め物を見ていただき、ご意見などうかがえればと思います。徹底的に洗い込んで有りますので、洗濯をしても色落ちはしませんが、2ミクロン以下という粘土粒子は水に溶けだしていることと思いますので、一応他のものとは別に洗濯をして貰いたいと思います。
耐光性については、東側の窓辺に2年間吊るして置いたものがほとんど退色していませんでした。
埴染めのカ−テンが完成しました
10センチ幅の帯状綿布を12色の土を使って埴染めしています。屏風の様な開閉になります。
縫製は、埼玉のインタ−アルクで行っています。
埴染めによるスカ−フ、スト−ル等
大連黄土で綿を染める
沖縄赤土で絹を染める
沖縄赤土で絹を染める
淡路青土で綿を染める
淡路青土で絹を染める 沖縄赤土+広西紅土で綿を染める
左上から、多治見亜炭土、沖縄赤土、大連黄土、広西紅土、淡路青土で絹を染める。
広西紅土で絹を染める
これら「埴染め」の製品は販売もしています。
2002.9.5現在、東京・京橋のINAXギャラリ−1にて一部展示しています。