土の色

日本の土の色

各地で集めた粘土質の高い土を200メッシュで篩ったものです。画像では色の微妙な差がわかりにくいのが残念です。

 

土の塗り見本
手元にある各地の土を使って塗り見本を作ってみました。
配合比は土 : 珪砂6号 : 中塗りスサをふるい分けしたもの=1 : 1 : 1です。
実物を見ないと分かりにくいかもしれませんが、配合比を一定にして有りますから、それぞれの土の粘土分が
おおよそ見当が付きます。「甘い」「辛い」の状態が分かります。
くどいようですが、これらの色は全く天然の土の色です。

左上から、小牧大山土,沖縄赤土,福岡嘉穂土,小牧本所山土,ケト土,淡路青土,小牧桃花台土,小牧桃花台白土B,
     豊田さなげ土,荒木田土
右上から, 中国広西紅土,小牧桃花台白土A,福島県飯舘土B,福島県飯舘土A,常滑土,多治見白絵土,新潟土,
     四日市土,近江土

土には実に様々な色があります。

一般に日本列島を北から南へ行くに従って、土の色は赤い色が目立ってきます。
これは有機色の濃いもの(腐食の多い土)から無機色の濃いもの(酸化鉄の多い土)に変わっていくからです。
その変化の仕方の割合が、その地域の気候や有機物質の種類によって、土に様々な色の変化を与えます。

土は大部分砂と粘土で出来ていますが、これはもともと白に近い色です。
この白い色が黒くなるのは腐食を多く含み、赤くなるのは鉄分を多く含むからなのです。

北海道から東北にかけては、黒い土が目立ちます。これは気温が低いために腐食の分解が遅いためです。
関東から中部にかけては、褐色や黄色の土が目立ちます。これは酸化によって生じた酸化鉄と腐食が混じり合うためです。そのためこういう中間色が多くなります。
関西から九州にかけては赤い色が目立つようになります。酸化が進み酸化鉄が主体となります、さらに気温が高いために腐食が促進されるからです。

以上のことから土の色にはその土の生い立ちと歴史が刻まれていると言えます。土の色から、その土がどんな環境でどのようにして出来たかが推定もできるのです。

土の色
・褐色森林土
・赤色土
・黄色土
・黒ボク土
・グライ土
・褐色低地土
・灰色低地土

黒色物質は腐植と呼ばれています。土に過酸化水素水(オキシフル)を加え、熱を加えて強制的に酸化すると、泡を出して有機物が分解し、黒みが消え、地の色が出てきます。
地の色は下層土と同じ色、赤、褐、黄、灰、あるいは白になります。

各地の土の色

          これらの土のサンプルは、榎本新吉さんの地下倉庫に保管されている土の一部です。中には出所が不明な物も混じっています。

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